面白かった。上下に分かれているけど読み出したら止まらない感じ。
前々から本屋に並んでいて面白いタイトルだなぁと思いつつスルーしつつも、やっぱり気になって冒頭を読んでみるとどんどん引きこまれる感じがあった。けれど、上下に分かれてるし分厚いし (実際は360P 〜 370Pぐらいだからそれほどでもないのだけど)で手を付けずにいた。青空文庫で宮本武蔵を読んだ後はこれといって面白いのが見つけられなかったのもあって購入。
恥ずかしながら実際、誰のことなのかさっぱり知らなかったのだけど、大きな会社になっているのであれば現在も残っているであろうに「国岡」は聞いたことがなかった。ぐぐってみると、
- 国岡鐵造 -> 出光佐三
- 国岡商店 -> 出光興産
がモデルだった。僕の中で国岡鐵造が魁男塾の江田島平八郎で脳内再生されていたのだけど、写真を見る感じそう遠くもないようだ。
「日章丸事件」も全く知らなかった。
1953(昭28)年3月、出光は、石油を国有化し英国と抗争中のイランへ、日章丸二世を極秘裏に差し向けました。
http://www.idemitsu.co.jp/company/history/4.html
同船は、ガソリン、軽油約2万2千キロℓを満載し、5月、大勢の人の歓迎を受けて川崎港に帰港しました。
いろいろ気になってしまって出光興産のホームページ(http://www.idemitsu.co.jp/)をずっと読んでいたのだけど、出光佐三の語録集で印象に残ったのがこれ。
「みずから顧みて尊い人になれ」
社会は人間がつくったもの。人間のための社会である。社会の中心は人間でなければならない。
人間中心 人材を養成する。それが今日の「人間尊重」ということになった。
これも「みずから顧みて尊い人になれ」というのが、出光の人間尊重なのだ。自分が顧みるのであって、人が何といってもいい。人が「馬鹿」といったって自分が馬鹿でなければ、いいじゃないかということだ。
http://www.idemitsu.co.jp/100year/idemitsu_sazou/special/word_1.html
反対に「あなたは偉い人ですね」とおだてられて偉がっておる馬鹿がおるか。
自分が顧みて人間として恥ずかしくない人であればいい。
道徳をわきまえている人、お互いということをわきまえておる人であればいいのであって、人からいわれることではない。
いろいろ突き刺さります・・・。
作品中にもよく出てくる「民族系」なのだけど、これは資本の割合が日本よりなのか外資よりなのかなのだけど、こんなの考えたことも無かった。本作品を見て戦後奮闘して国のため国民のためと活動してきたさまを読むと、どうしてもどうせ給油するのなら・・・と思ってしまうのはおっさんになってしまったからだろうか。外資系が悪いというわけではないのだけど(そこまで議論できる知識もないし・・・)。
じゃあ、どこが民族系で外資系なのかをネットで探してみたのだけどなんだかよく分からなかった・・・表形式になってるものがどこかにないかなぁ。
ついでに、出光興産の業務内容を見てみると以下だった。
- 石油精製並びに油脂製造、販売
- 石油化学製品の製造・販売
- 石油、石炭、地熱、その他鉱物資源の調査、開発並びに採取
- 農業薬品、農業用資材並びに化学薬品製造業
- 電子機能材料の開発、製造および販売
- 各種化学工業用および環境保全用機械設備・機器の設計、施工、製作および売買
- 不動産の売買、賃貸借、管理
- コンピューターソフトウェアの開発、販売およびコンサルティング
最後が引っかかってぐぐってみると・・・。
出光興産は2013年3月までに、社内システムからメーンフレーム(大型汎用コンピューター)を全廃する。リプレースに当たっては、ERP(統合基幹業務)パッケージを新規導入するのではなく、既存のプログラムを現行のプログラミング言語にそのまま書き換える手法を全面的に適用していく方針。これにより、ソフトウエアの再開発費は従来の再構築に比べて3割程度抑制できる見通しだ。
ソフトを“リフォーム”し再開発費を3割削減 | 日経クロステック(xTECH)
オフショアに出して cobol をそのまま java に置き換える案件ですよと。
この手のものはオフショアは単純(忠実)に java に直してくれるのだろうけど、その後のメンテはどうするんだろうなぁというの気になる。ソフトウェア部門にメンテナがいるんだろうか。つどオフショアに発注というのが現実的なんだろうか。悔しいけど。まぁ、いくら綺麗に作ろうが動かなければゴミなので、動くものができるのが第一なんだけどね (盛大なブーメラン)。