basyura's blog

あしたになったらほんきだす。

中学生からの哲学「超」入門—自分の意志を持つということ - 竹田青嗣

★★★★☆

まえがき
1 自分とは何者か
  神経症 - 私はなぜ哲学者になったか
  欲望哲学の出発点
2 世界はどうなっているか
  宗教のテーブルと哲学のテーブル
  哲学のテーマ - 「神」と「形而上学」について
  宗教と哲学の弱点
3 なぜルールがあるのか
  大貧民ゲームで近代社会を体験する
4 幸福とは何か
  ガウェインの結婚 - 「自分の意志を持つこと」

哲学っていうとめちゃくちゃ賢い人が小難しい事を言いながら問答をしてるイメージで、一般人には関係ないというか踏み入れられない領域だと思ってた。でも、この本を読むとそれがとても身近に感じられる。頭でっかちな議論をするものではなくて

人間関係や社会を調整する知恵を蓄える。
個々人がよく生きるための考えを熟成させる。

という、学校・会社・家庭などに関係するものであり、自己ルール(見つけた解)をネタに繰り返し了解し直す(少しずつ前進していく)前向きなものということを知った。
また、宗教、哲学、科学について以下のように分類している

宗教 ・・・ 物語:どれが絶対に正しいか決められない。
                  権威ゲームに陥りやすい。
哲学 ・・・ 本質:開かれた言語ゲーム。
                  時間が経つにつれて言い方が難しくなる。
科学 ・・・ 事実

宗教と哲学が混同しやすくいずれも「世界説明」の方法であるけど、哲学は「世界をより適切な仕方で説明する原理を提出する言語ゲーム」という「物語」を使わない現実的な方法とすると違いが分かりやすい。

また、世の中にははっきりした答えを見いだせる問いと、問うても決着の出ない問題がある。哲学は問いのでないものは扱わない事にする。よって

神の存在問題には決して答えられない
↓
絶対存在や至上存在を前提にできない
↓
神は死んだ(新しいテーマが見つかった。神について考える事をやめた)
↓
本質テーマは人間や社会へ移った

という有名な展開になったと。マンガ版を前に読んだけど全然分からなかったわ・・・。
本書で一番納得したのは

正しいか間違っているかは、どの程度確信と納得の条件があるか

という所。これを了解感というみたいだけど、何となく思ってる様な事でも言葉として定義することによってものすごい納得を得られる事に驚いた。


いろいろと理解の間違ってるところは有ると思うけど、今の理解レベルはこんな所。